新型コロナウイルス関連で使われているカタカナ語

新型コロナウイルスに関して使われている用語、特に、政治家やお役所が、カタカナ語を連発していますので、カタカナ語を中心にまとめてみました。

 

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コビッドナインティーン、コビッドじゅうきゅう

COVID-19(Coronavirus Disease 2019)
コロナウイルス ディズィーズ 2019
disease(疾患)
COVID-19は、2019年に発生した「新型コロナウイルス感染症」の略
いつまでも「新型」と呼べないので、そのうち別の訳語が使われると思われる。
病名は「COVID-19」だが、COVID-19が原因のウイルスの名称は「SARS-CoV-2」である。
SARS-CoV-2(サーズコロナウイルス2)

 

コロナ(corona)


コロナはラテン語の冠を意味する。1964年、ウイルス学者のジューン・アルメイダ氏とその同僚らは、突起がウイルスの周りを囲んでいる様子が、太陽の周りに現れる光の輪、光冠(コロナ)に似ていると記している。

関連語:コロナ禍(コロナか)
禍(わざわい、災い)
インフルエンザ禍、インフル禍という言葉が過去に使われている。

 

ウイルス(virus)

核酸とそれを取り囲むタンパク質の殻から構成されている。核酸にはDNAとRNAの2種類があり、どちらか一方しか持っていない。単独では増殖できないので、生物の細胞の中に侵入することで増殖する。

「ウイルス」?「ウィルス」?:カタカナ表記はどちらでもよい。主流となっているのは「ウイルス」。

 

ソーシャルディスタンス(social distance)

意味:社会的距離
コロナウイルスの飛沫感染を防ぐために、人と人との距離を2メートルくらい取ることを推奨されている。
関連語:3密(密閉、密集、密接)

 

フィジカルディスタンス(physical distance)

意味:身体的距離、物理的距離
ソーシャルディスタンスという言葉は、社会的な分断をイメージさせるので、フィジカルディスタンスと言いかえる動きがあったが、日本では定着していない。人と人は、物理的距離をとりつつ、社会的なつながりは大事にしていこうということ。

 

トリアージ(triage)

患者の重症度に基づいて、搬送や治療の優先順位を決めること。
フランス語のトリアージュ(選別)からきていると言われている。
重症の者から治療を行うのが当然だが、新型コロナウイルス感染者が急増し、医療器具が不足した時、お年寄りよりも若者に医療器具を優先的に使用した国があった。命の選別と呼ばれた。

 

カスタマーハラスメント(customer harassment)

略してカスハラ
意味:いじめ、嫌がらせ
客が従業員に対して過剰な要求をしたり、理不尽なクレームをつけたりすること。
新型コロナウイルスの感染が広まる中、生活インフラを支えるスーパーなどの従業員に対してカスハラがおこなわれ、社会問題になった。

関連語:県外ナンバー狩り
都道府県をまたいだ移動の自粛が呼びかけられた際、他の都道府県のナンバープレートをつけていると、”あおり”や車に落書きするといった嫌がらせが全国でみられた。

関連語:自粛警察
自粛生活が長期化する中、市民による監視行動が相次いだ。営業を続けている店やマスクをしないで外出している人などに対して、暴言や脅迫行為を行う者がいた。こういった人達は、自粛警察と呼ばれた。

 

パンデミック(pandemic)

意味:感染症(伝染病)の全国的・世界的大流行、感染爆発
コロナウイルスに関してパンデミックという言葉が使われたのは、今回が初めてである。

インフルエンザに関してWHOは、これまで感染症のパンデミックの状況を6段階に分類していたが、2013年6月に廃止し、新たに4段階の指針を設けている。

<パンデミック警戒フェーズの基準>
(1)パンデミックとパンデミックの間の時期(Interpandemic phase)
新型インフルエンザによるパンデミックとパンデミックの間の段階。
(2)警戒期(Alert phase)
新しい亜型のインフルエンザの人への感染が確認された段階。
(3)パンデミック期(Pandemic phase)
新しい亜型のインフルエンザの人への感染が世界的に拡大した段階。
(4)移行期(Transition phase)
世界的なリスクが下がり、世界的な対応の段階的縮小や国ごとの対策の縮小等が起こりうる段階。
※フェーズ(phase):段階

参考:厚生労働省「新型インフルエンザ対策行動計画・ガイドライン

 

ロックダウン(lockdown)

意味:封鎖、閉鎖
日本では「都市封鎖」という意味で使われることが多いが、都市だけでなく、国や建物、場所(エリア)に対しても使われる。外出制限、外出禁止という意味あいもある。
Tokyo was placed into lockdown.
東京は閉鎖された(外出制限措置がとられた)。

 

クラスター(cluster)

意味:集団、一団
感染者集団、集団感染という意味で使われる。
用例:「新型コロナウイルス感染症のクラスターが増えつつある。」

 

オーバーシュート(overshoot)

意味:感染爆発、感染者の爆発的な増加
元々は金融・証券用語で、「行きすぎる」、「超過する」、「(的を)外す」という意味であって、「感染者の爆発的な増加」という意味はない。
英語ではアウトブレイク(outbreak)が使われる。
There was an outbreak of COVID-19 in 2020.
2020年にCOVID-19の感染者の爆発的な増加があった。

 

クロースコンタクト(close contact)

意味:濃厚接触
関連語:コンタクトトレーシング(contact tracing)=接触追跡

 

パニックバイイング(panic buying)

意味:買い占め
新型コロナウイルスでは、マスクの買い占めから始まり、トイレットペーパーの買い占めまで起こった。

 

リセール(resale)

意味:転売
「国民生活緊急措置法」第26条第1項の規定に則って、2020年3月15日、「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」が施行され、マスクの転売が禁止された。同年5月26日には、消毒等用アルコールの転売も禁止された。

違反した個人・事業者には、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、又はその双方が科される。

 

テレワーク(telework)

日本では、在宅勤務という意味で使われている。
アメリカでは、オフィスで働くことをメインとしながら、オフィス以外で働くことテレワークと言う。オフィス以外で働くことをメインとする場合は、リモートワーク(remotework)と呼んでいる。

関連語:テレワーク格差
会議などは、インターネットを介するWEB会議が行われるが、予算や設備、ノウハウがある企業とない企業の間にテレワーク格差が生じている。

関連語:テレワークハラスメント(telework harassment)
略してテレハラ。WEB会議をする際に、家の中の雑音が入ったり、背景が映ってしまうことがある。それをとらえて、WEB会議で家庭事情やプライベートにまで踏み込んだ発言をする行為をテレワークハラスメントと呼ぶ。

関連語:リモート出演、リモート飲み会

 

ファクターX(factor X)

factor:因子、要因
新型コロナウイルスによる日本の死者数が欧米より少ないのは、欧米とは違うなにか「ファクターX」があるのではないかと言われている。

例えば、家に入るときは玄関で靴を脱ぐ、普段から花粉症対策などでマスクをするので、マスクをしている人に対して違和感がない、挨拶のときにハグやキスをする習慣がない、などがあげらることが多い。

 

WHO

World Health Organization
世界保健機関
本部:スイス・ジュネーヴ
事務局長:2017年7月~ テドロス・アダノム(エチオピア)

 

番外

<コピー難民>
特別給付金申請書を郵送する際には、本人確認書類と振込先口座確認書類の写しを同封する必要があった。しかし、コンビニにあるコピー機の使い方がわからないコピー難民が続出した。

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