パートに交通費がでないのは違法なのでしょうか?
労働基準法には、「交通費を支払う義務がある」といった条文はありません。
なので、交通費を支払わないのは違法ではありません。
ただし、正社員と同等の業務内容や責任を課せられている場合、交通費を支払わないのはパートタイム労働法に抵触している可能性があります。
パートタイム労働法には、正社員と(1)職務の内容が同じ(2)人材活用の仕組みや運用などが同じ場合は、次のような内容が書かれています。
事業主は、職務の内容、人材活用の仕組みや運用などが通常の労働者と同一のパートタイム労働者については、パートタイム労働者であることを理由として、その待遇について、差別的取扱いをしてはならない(パートタイム労働法第9条)。
パートに交通費なしなんてひどい!
法律に反しない限り、契約の自由という原則があります。
なので、パートに交通費が出る出ないは、労働契約書・雇用契約書の内容によります。
労働契約書・雇用契約書に、通勤手当あるいは交通費の記載がなければ、雇う側は交通費を支払う意思がないとみていいでしょう。
労働契約書・雇用契約書に通勤手当あるいは交通費の記載がある場合、「支給」と書かれていれば全額あるいは一部支給されます。
「支給なし」と書かれていれば、支給されません。
交通費が支払われるのは、通勤方法がバスや電車などの公共交通機関を利用する場合のみというのが一般的です。
マイカー通勤、自転車通勤でも支払ってくれる事業所もありますが、通常、マイカー通勤、自転車通勤は支給の対象になりません。
マイカー通勤・自転車通勤でも支払われる場合
自宅と通勤場所までの公共交通機関の料金に換算して支払われる場合と、距離によって決められている場合があります。
距離によって決められている場合の非課税限度額は次の通りです。
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限度額を超えた金額は給与とみなされ課税されます。
「パートタイム労働者」とは
パートタイム労働法の対象である「短時間労働者(パートタイム労働者)」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。
例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。(『パートタイム労働法のあらまし』厚生労働省2017年9月)