意味を取り違いやすい慣用句などをご紹介しています。このページは、【や行】と【ら行】の日本語を取り上げています。
意味を取り違いやすい日本語【や行・ら行】
48 | 役不足(やくぶそく) ○本人の力量に対して役目が軽すぎること ×本人の力量に対して役目が重すぎること |
49 | やさぐれる ○家出する/流浪する ×投げやりになる/生活があれる |
50 | 烙印を押す(らくいんをおす) ○汚名を着せる/周囲がそうであると決めつける ×すぐれた人物だと認める |
意味を取り違いやすい日本語【や行・ら行】の解説
48「役不足」は、「力不足」や「力量不足」と混同されやすい言葉です。「私では役不足です。」=「私の力量では荷が重いです。」と謙遜して言ったつもりでも、元来の意味からすると、「こんな軽い役目をこの私にさせるのですか。」と言っていることになります。
聞き手によっては、傲慢な人と受け取られるかもしれませんので、注意が必要です。この場合は、「私では力不足です。」が正しい言い方の一例です。
49「やさぐれる」の「やさ」は、「さや(室)」をひっくり返した語で、ここでは「家」という意味です。また、「ぐれる」は、「はぐれる」という意味です。つまり、「やさぐれる」の本来の意味は、「家出する/宿無しの状態になる/流浪する」です。
近年では、「ぐれる」から「投げやりになる/生活があれる/すねる」といった意味で使われています。
50 烙印は、熱して家畜や人の皮ふに押し当ててしるしをつけるための鋼鉄製の印で、焼印とも言います。特に、人に対しては、刑罰として行われることが多く、「烙印を押される」は、「一生ぬぐい去ることの出来ない汚名を受ける」という意味です。
練習問題【や行・ら行】
■日本語として間違っている文、または、用語が本来の意味として使われていない文を一つ選び、記号で答えなさい。
(1)A:これまでの実績からしてそのポストでは彼には役不足だ。
B:彼ではまだまだ役不足なのに、彼に主任をさせるなんて。
C:君には役不足で不満かもしれないが、副主任を引き受けてくれないか。
(2)A:彼はやさぐれた未成年を保護するために夜回りを続けている。
B:未成年者がやさぐれる原因で最も多いのは家庭関係である。
C:彼女はやさぐれた態度で席を立った。
(3)A:今度の社長は誰もが烙印を押すほどの優秀な人物だ。
B:一度烙印を押されると名誉を回復するのは難しい。
C:彼らは私に裏切り者の烙印を押した。
練習問題【や行・ら行】の解答
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赤文字が正解です。つまり、日本語として間違っている文、または、用語が本来の意味として使われていない文です。
(1)A:これまでの実績からしてそのポストでは彼には役不足だ。
B:彼ではまだまだ役不足なのに、彼に主任をさせるなんて。
C:君には役不足で不満かもしれないが、副主任を引き受けてくれないか。
(2)A:彼はやさぐれた未成年を保護するために夜回りを続けている。
B:未成年者がやさぐれる原因で最も多いのは家庭関係である。
C:彼女はやさぐれた態度で席を立った。
(3)A:今度の社長は誰もが烙印を押すほどの優秀な人物だ。
B:一度烙印を押されると名誉を回復するのは難しい。
C:彼らは私に裏切り者の烙印を押した。
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